「去年と同じ場所に同じ野菜を植えたら、今年は育ちが悪い…」
これは、**連作障害(同じ種類の野菜を同じ場所に続けて育てたことで起きる生育不良)**が原因の可能性があります。
この問題を防ぐために家庭菜園でもできる方法の1つが 輪作(りんさく)。
畑のプロも取り入れている、もっとも基本的で効果的な土づくりの考え方です。
この記事では、輪作の仕組みとやり方、家庭菜園で実践するときのポイントを、
はじめての方にもわかりやすく紹介します。
それでは早速見ていきましょう。

輪作とは?
輪作とは、毎年ちがう種類の野菜を順番に植えていく栽培方法のことです。
野菜は種類ごとに
✔ 好む養分
✔ 病気・害虫の種類
✔ 根の深さ
がちがいます。
そのため、年ごとに植える野菜を変えることで
・偏った養分の消費を防げる
・特定の病害虫だけが増え続けるのを抑えられる
・土の疲れを回復しながら栽培できる
というメリットがあります。
輪作がうまくいく理由
輪作が効果的なのは、野菜を**「科(か)」=グループ**で管理するからです。
例えば…
| 科 | 主な野菜 |
|---|---|
| ナス科 | トマト・ナス・ピーマン・じゃがいも |
| アブラナ科 | 小松菜・キャベツ・白菜・大根・かぶ |
| セリ科 | パクチー・フェンネル・にんじん |
| ヒガンバナ科 | にんにく・玉ねぎ・ネギ |
| マメ科 | えだまめ・スナップエンドウ・そら豆 |
| ウリ科 | きゅうり・ズッキーニ・かぼちゃ・すいか |
同じ科の野菜は同じ病害虫に弱く、必要とする養分も似ているため、同じ場所に続けて植えると土が疲れてしまいます。
そこで、科の違う野菜をローテーションさせる=輪作というわけです。
家庭菜園での輪作ローテーション例
3年ローテーション
| 1年目 | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|
| トマト(ナス科) | にんじん(セリ科) | 小松菜(アブラナ科) |
ポイント:
- 根の深さ・必要肥料がバラけるので土が疲れにくい
- 収穫後、すぐ次の作物の植え付けに進める種類で組むと効率◎
4年ローテーション
| 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 |
|---|---|---|---|
| じゃがいも(ナス科) | ほうれん草(ヒユ科) | ピーマン(ナス科以外の野菜) | 玉ねぎ(ヒガンバナ科) |
ポイント:
・科が連続しないように管理するだけでOK
👉 どのローテーションも正解はひとつではありません。
大切なのは「同じ科を同じ場所に連続させない」ことです。
畑・プランターでの実践方法とコツ
●畑の場合
□ 畝(うね)ごとに植える野菜の科を記録する
□ 毎年ローテーションさせる
□ メモアプリやノートに書き残すと管理が楽
●プランター・ベランダ菜園の場合
スペースが限られていても輪作できます。
方法は2つ:
① プランターごとに植える野菜の科を変える
② 苗の植え付けのタイミングで古い土をリサイクルして入れ替える
さらに、マメ科の野菜を時々育てると土の栄養が回復しやすいのでおすすめです。
輪作がむずかしいときの代替策
☑ 土を入れ替える
☑ 土の再生材・堆肥を混ぜて栄養バランスを整える
☑ 太陽光消毒で土の病害虫リセット
☑ 連作に強い品種・接ぎ木苗を選ぶ
家庭菜園では「輪作+土のケア」の組み合わせが最も効果的です。
まとめ
・同じ科の野菜を同じ場所に続けて育てると連作障害が起きやすい
・輪作は「野菜の科ごとに植える順番を変える」シンプルな方法
・畑でもプランターでも実践できる
・輪作が難しいときは「土の入れ替え」や「太陽光消毒」も有効
輪作を取り入れるだけで、
病害虫リスクが下がり、収穫量と味が安定して向上します。
プランター栽培を中心とした家庭菜園ではスペースが限られるため、
ローテーションの組み方が大事になってきます。
新たな種類を栽培するチャンスだと捉え、次のシーズンから、ぜひあなたの家庭菜園でも試してみてください。


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