優しい香りと上品な風味で知られるマジョラム(スイートマジョラム)。
イタリア料理では「ハーブの女王」とも呼ばれ、肉料理やスープ、ドレッシングなどに広く使われています。
見た目は小さく可愛らしく、花も楽しめることから、観賞用ハーブとしても人気。
普段見かけないハーブも楽しめるのが、家庭菜園の楽しみのひとつでもあります。
この記事では、プランターでも簡単に育てられるマジョラムの育て方を、年間カレンダー付きで解説します。
栽培開始までの3ステップ
Step 1. 苗を選ぶ(購入時のポイント)
マジョラムの苗は植え付け時期の、春先(3〜5月)と秋口(10月)に多く出回ります。
香りや姿勢の良さをチェックして、元気な苗を選びましょう。
苗選びの3つのポイント
- 茎がしっかりしている
→ 弱々しいものではなく、枝分かれが多い苗を。 - 葉色が鮮やかで、うぶ毛が生えている
→ 病害虫が少なく、健康な証拠です。 - 香りがよく立つもの
→ 軽く葉をこすって、甘く爽やかな香りが感じられるかを確認。
用途によって、品種も変わってきます。
品種と特徴
マジョラムは多年草として扱われる半耐寒性植物ですが、寒さに弱いので冬は室内管理が安心です。

Step 2. 資材をそろえる
マジョラムはオレガノの近縁種で、乾燥気味を好みます。
以下の基本セットがあれば、ベランダや日当たりの良い窓辺でも育てられます。
- プランター(深さ15cm以上、直径30cm前後)
- 鉢底石
- ハーブ用または花用培養土(もしくは 赤玉土小粒と腐葉土を6:4)
- 緩効性肥料(少量でOK)
- 苗または挿し穂
Step 3. 植え付けと配置
- プランターに鉢底石を敷き、土を7割程度入れます。
- 苗をポットから外し、根鉢を軽くほぐして植えます。
- 根元を押さえながら植え込み、たっぷり水を与えましょう。
マジョラムは風通しを好むため、一つのプランターに複数植える場合は、株間は20cm程度あけて植えるとよく育ちます。

栽培と管理のコツ
水やり
マジョラムは乾燥に強い植物。
土の表面が乾いてからたっぷり水を与えるのが基本です。
常に湿っていると根腐れを起こすため、受け皿の水はこまめに捨てましょう。
また、冬の間はさらに頻度を落としましょう。
日当たり
日当たりと風通しが良い環境が理想。
室内なら南向きの窓辺、屋外なら午前中に日が当たる場所がおすすめです。
追肥
春に1回、緩効性肥料を控えめに与えます。
多肥になると香りが弱くなるので、肥料は「控えめ」を意識しましょう。
収穫と剪定
マジョラムは6〜9月にどんどん成長します。
花が咲く直前が最も香りが強く、ハーブティーや料理にも最適です。
- 収穫の方法:枝先を5〜10cmほど切り取り、若い茎を中心に。
- 剪定のタイミング:伸びすぎた枝は株元でカットし、形を整えましょう。
- 乾燥保存:通気性の良い日陰に吊るして自然乾燥。香りが凝縮されます。
💡 コツ
収穫を兼ねてこまめに剪定することで、脇芽が増えて株がふさふさになります。
冬越しのポイント
マジョラムは寒さにやや弱いため、冬はひと工夫が必要です。
- 気温が10℃を下回る前に、屋内の日当たりの良い場所へ。
- 地上部が枯れても、春になると根元から新芽が出てきます。
- 水やりは月2〜3回程度に控えましょう。
マジョラムの種類と特徴
| 品種名 | 特徴 | 香り・用途 |
|---|---|---|
| スイートマジョラム | 一般的な種。甘く優しい香りで料理向き。 | 肉料理・スープ・ドレッシング |
| ポットマジョラム | 鉢植え向きでコンパクト。観賞用にも。 | 寄せ植え・観賞 |
| ゴールデンマジョラム | 黄色い葉が美しく、ガーデニングに人気。 | 観賞・寄せ植え |
💡 家庭菜園向けおすすめ
料理に使うなら「スイートマジョラム」、見た目も楽しみたいなら「ゴールデンマジョラム」。
まとめ
マジョラムは香り・見た目・使いやすさの三拍子がそろった万能ハーブ。
日当たりと乾燥気味の環境を守れば、初心者でも元気に育てられます。
せっかくの家庭菜園、普段お目にかかることのないハーブを育てるのも面白いです。
優しい香りに包まれながら、
自家製マジョラムでスープやドレッシングを楽しんでみませんか?


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